特集 病歴と診察で診断できない発熱!—その謎の賢い解き方を伝授します。
【各論】さて、この検査をしよう!
人を見たら結核と思え!—結核は、忘れた頃にやってくる
皿谷 健
1
1杏林大学医学部呼吸器内科
キーワード:
粟粒結核
,
T-SPOT®・クオンティフェロン陰性
,
リンパ球機能の低下
Keyword:
粟粒結核
,
T-SPOT®・クオンティフェロン陰性
,
リンパ球機能の低下
pp.448-452
発行日 2017年4月15日
Published Date 2017/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200869
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Case
患者:10カ月前に痙攣を契機に診断された、神経膠芽腫の77歳、男性。
現病歴:開頭術後に経口でテモゾロミド(75mg/m2)を1コース行い、プレドニゾロン (10mg/day)を8カ月内服し、今回2回目の化学療法目的で入院した(day1)。Performance statusは3であり、ここ8カ月間、痙攣に対してゾニサミド(200mg/day)、ニューモシスチス肺炎(PCP)予防のためST合剤1錠/day、心房細動のためアピキサバン(10mg/day)と、pilsicainide hydrochloride hydrate(75mg/day)を内服中である。Day15に1度39℃の発熱があったが、自然に解熱したため、2コース目の経口テモゾロミド(100mg/m2)をday17〜21まで内服した。その後day33に高熱が再燃し、胸部X線および胸部CTで異常陰影が指摘され(図1AB)、day37にすりガラス陰影となり(図1CD)1)、同日から呼吸不全も認めたことから、呼吸器内科にコンサルトとなった。
▶コンサルト時のバイタルサインと身体所見
バイタルサイン:意識清明。体温39.5℃、脈拍数101回/分、血圧126/70mmHg、呼吸数27回/分、SpO2 93%(経鼻カヌラ2L/分)。
頸部:明らかなリンパ節腫大なし。
胸部:両側肺野にcoarse cracklesあり。心雑音なし。
その他:特記すべき異常所見なし。
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