Japanese
English
今月の主題 Post H. pylori時代の胃炎・胃症
症例アトラス
IBDの胃病変(CD,UC)
Gastric Lesions of Inflammatory Bowel Disease
鶴岡 ななえ
1
,
芥川 剛至
2
,
江﨑 幹宏
1
Nanae Tsuruoka
1
1佐賀大学医学部内科学講座消化器内科
2佐賀大学医学部附属病院光学医療診療部
キーワード:
竹の節状外観
,
縦列傾向
,
びまん性細顆粒状粘膜
,
顆粒状粘膜
,
陰窩膿瘍
Keyword:
竹の節状外観
,
縦列傾向
,
びまん性細顆粒状粘膜
,
顆粒状粘膜
,
陰窩膿瘍
pp.84-87
発行日 2025年1月25日
Published Date 2025/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.053621800600010084
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疾患の概要
炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease ; IBD)はCrohn病(Crohn's disease ; CD)と潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis ; UC)に大別され,CDでは全消化管,UCでは大腸に限局した腸管炎症を来す.このうちCDでは,“特徴的な胃・十二指腸病変”が診断基準の副所見に取り上げられていることからもわかるように,比較的高率に上部消化管病変を伴うことから,その特徴を認識しておくことは重要である.一方,UCでもまれではあるが,上部消化管病変を呈する.大腸と共通の免疫学的機序が関与していると考えられているが,その詳細については解明されていない点が多い.
IBDの胃病変は軽微で無症状であれば経過観察でよいが,症状を有する場合には出血や狭窄のリスクなどを考慮し治療介入が必要となる.治療としては,胃酸分泌抑制薬に抵抗性もしくは不応を示す症例も少なくなく,粉砕した5-アミノサリチル酸(5-aminosalicylic acid ; 5-ASA)製剤の投与や,ステロイド,抗腫瘍壊死因子α(tumor necrosis factor α ; TNFα)抗体製剤などの原疾患に準じた治療が有効である1)2).
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