Editorial
星の数ほどのpractice based research networkを!
藤沼 康樹
1
1医療福祉生協連家庭医療学開発センター
pp.277
発行日 2016年4月15日
Published Date 2016/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200506
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たとえば「血糖のコントロールが各種合併症の発症を防ぐ」というような,現在の2型糖尿病治療の基本コンセプトの源流は,英国糖尿病前向き研究(UKPDS)1)の一連の成果にあると言えるだろう.この研究は,英国のアカデミックセンターと地域の一般医・家庭医がガッチリとネットワークを組んだリサーチグループによるものであり,プライマリ・ケアの現場からの研究成果が世界の診療に変化をもたらした代表例と言えるだろう.こうしたプライマリ・ケア現場の診療所群による研究グループを「practice based research network(PBRN)」と呼ぶ.
そして,僕らは自分たちの家庭医療専門研修プログラムを構成している10カ所の診療所群でPBRNをつくり,3年間にわたる在宅患者さんの前向きコホート研究を実施している.中間のまとめで,すでに興味深いデータが得られている.たとえば,「在宅医療に移行後,生活機能がむしろ改善する患者さんがかなりの率でいる」ということがわかってきた.
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