扉
Adverse event-based research
小笠原 邦昭
1
1岩手医科大学脳神経外科
pp.623-624
発行日 2016年8月10日
Published Date 2016/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436203346
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タイトルの“adverse event-based research”はもちろん,筆者の造語である.Adverse eventは有害事象と訳される.すなわち「治療や処置に際してみられるあらゆる好ましくない徴候,症状,疾患,検査値異常」ということである.
話は変わるが,本邦の医師,医学研究者の英文論文数が減少しているといわれて久しい.前国立大学財務・経営センター理事長で元三重大学学長の豊田長康先生によると,英文論文数は日本以外の国はすべて,年次を追って右肩上がりなのに対し,日本だけ2005年から増加が鈍化して2007年から減少に転じているとのことである.その理由として,国立大学法人化と同時期になされたさまざまな政策が影響していると述べられている.これはもちろん大局的には異存はないが,筆者自身の専門領域である脳血管障害に対する外科治療の臨床研究をみると,別の原因も関連しているのではないかと考えたくなる.
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