今月の表紙
巨大Chiari network
田中 道雄
1
,
常深 あきさ
1
,
八丸 剛
2
,
中原 秀樹
2
,
手島 保
3
1東京都立広尾病院検査科
2東京都立広尾病院心臓血管外科
3東京都立広尾病院循環器科
pp.1153
発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102983
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【症例の概要】
72歳,女性.15~20年前に息苦しさ,2年前に不整脈があった.今回,大腸癌術後小腸狭窄の術前検査で,心電図上右脚ブロック,心エコーで右房内腫瘍を指摘された.腫瘍は可動性に富み,大きさは3cm前後,非常に低エコーで,一部が高輝度の線状に描出され,中隔に付着していた.下大静脈に腫瘍は認められず,EF(ejection fraction)74%と壁運動障害なし.胸部CTで冠動脈に異常はなかった.術中所見では,冠状静脈洞周囲の右房壁に付着する網状膜状物(広げると4~5cm大)を認め,これを付着部から切除した.疣贅や血栓なし.切除物は,32×30×9mm大で,組織所見では,弾性線維を主体として,心筋細胞の小集簇・小血管が混在しており,Chiari networkと診断した.
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