みるトレ【最終回】
Case 98
忽那 賢志
1
1国立国際医療研究センター 感染症内科・国際感染症センター
pp.255-256
発行日 2016年3月15日
Published Date 2016/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200498
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患者:89歳,女性.
既往歴:脳梗塞(10年前,以降寝たきりの状態となり介護老人保健施設入所中),誤嚥性肺炎(半年前,1年前,3年前).
現病歴:数週間前から,「中毒疹」の診断でステロイド軟膏が全身に塗布されていた.
2日前から,38℃の発熱,喀痰の増加および経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)の低下を認めていた.嘱託医によってレボフロキサシン500mg 1日1回が開始されたが,その後も症状が続くため精査加療目的で当院に搬送された.
身体所見:血圧132/84mmHg,脈拍数113回/分,呼吸数18回/分.全身のるいそうを認める.
呼吸音;右下肺野に吸気時のcoarse cracklesを聴取する.
当院に入院後,上肢および体幹を中心とした夜間入眠困難となるほどの全身の掻痒感と,前腕の皮疹(図1),両手掌の角質増殖(図2)を認めた.
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