特集 妊婦・褥婦が一般外来に来たら─エマージェンシー&コモンプロブレム
【妊婦・褥婦のエマージェンシー】
妊婦の急性腹症
伊藤 雄二
1,2,3
1公益社団法人地域医療振興協会 総合診療産婦人科養成センター・産婦人科
2東京ベイ・浦安市川医療センター 産婦人科
3西吾妻福祉病院 産婦人科
キーワード:
胎児救急
,
母体救急
,
常位胎盤早期剝離
,
HELLP症候群
,
産科DIC
Keyword:
胎児救急
,
母体救急
,
常位胎盤早期剝離
,
HELLP症候群
,
産科DIC
pp.19-22
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200434
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気をつけたい妊婦の腹痛
妊婦の腹痛には,本人をはじめ妊娠と気づかれない時期の腹痛と,妊娠が明らかとなってからの腹痛がある.前者の代表的な疾患が異所性妊娠(子宮外妊娠)の破裂や流産であるが,本稿では後者の,正常な妊娠としてフォローアップされている妊婦の腹痛,特に妊婦の急性腹症として鑑別すべき疾患1)を中心に述べる.
妊娠が判明している妊婦は,かかりつけの産科クリニックや病院を受診することが多く,総合診療医が関わることは少ないかもしれない.また妊婦の腹痛は非特異的でかつ検査や治療が限られていること,さらにそもそも妊婦の診察のトレーニングの経験もないか,あっても非常に少ないため,総合診療医もまた妊婦の診察には関わりたくないと考えるのが通常であろう.
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