特集 関節が痛いんです!─コモンからレアものまでの診断と治療
ONE MORE GM
pp.379
発行日 2015年4月15日
Published Date 2015/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200193
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Q1 前日からの発熱と下腿発赤・疼痛で来院した高齢女性.発赤が足関節の上に及んでおり,結晶性あるいは感染性の関節炎,蜂窩織炎を考えるが,関節穿刺してよいものか考えあぐねています.
A1 まず発赤と腫脹の範囲と中心部,圧痛部位,その最強点がどこかを診察し,関節裂隙との位置関係をみます.発赤や腫脹,圧痛の中心部や最強点が関節裂隙からずれていたり,裂隙からある程度離れた部位でも強い圧痛があれば,皮膚に炎症がある可能性が高くなります.また,関節を他動的に動かした際の疼痛は関節炎では強く,蜂窩織炎では比較的弱いです.その他,感染のentryとなる外傷や足白癬についてもチェックします.結晶性であれば比較的元気なことが多いですし,ピロリン酸カルシウム沈着による関節炎(偽痛風)であれば,膝,手関節,骨盤の単純X線写真で軟骨石灰化,痛風であれば過去の発作歴や高尿酸血症の既往,尿酸値の推移なども参考にし,これらの所見を総合して判断しています.判断がつきかねるときは,上級医,整形外科医,リウマチ科医へのコンサルトも考慮するとよいでしょう.
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