特集 関節が痛いんです!─コモンからレアものまでの診断と治療
【関節痛で疑うレアな疾患】
Whipple病
綿貫 聡
1
1東京都立多摩総合医療センターリウマチ膠原病科
pp.376-377
発行日 2015年4月15日
Published Date 2015/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200192
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Case
患者:50歳,女性.
現病歴:3年前から食欲低下とともに,多い時は1日4〜5回程度の不消化便が出現,徐々に体重が減少し,1年間で10kgほどの体重減少を認めた.膝,手関節を中心とした移動性の関節炎も認められ,精査目的に紹介となった.
検査結果と経過:血液検査では軽度の白血球増加と貧血を認め,CTでは腸間膜リンパ節の腫大を認めた.精査目的に入院となり,上部・下部消化管内視鏡検査では異常所見を認めず,小腸内視鏡を施行したところ,十二指腸から上部小腸にかけて白色絨毛の散在を認め,同部位から生検を行ったところ,脂肪が抜け落ちたような空隙状のスペース形成とともに,大型マクロファージの集簇を認めた.Whipple病を疑って追加染色を施行したところ,PAS染色陽性の顆粒状物質を認めた.腸管の病理標本についてTropheryma whippleiのPCR検査を提出したところ,陽性の結果が得られ,Whipple病と診断した.
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