特集 関節が痛いんです!─コモンからレアものまでの診断と治療
【関節痛で疑うレアな疾患】
再発性多発軟骨炎
喜瀬 高庸
1
,
綿貫 聡
1
1東京都立多摩総合医療センターリウマチ膠原病科
pp.374-375
発行日 2015年4月15日
Published Date 2015/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200191
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
- サイト内被引用
Case
患者:80代,女性.
現病歴:1カ月前より左耳介の腫脹・疼痛と発熱を認め,10日前より右耳介腫脹,右眼痛,右視力低下が出現したため,精査加療目的に紹介入院となった.初診時,右眼の球結膜充血と圧痛あり,両耳輪部と外耳道の腫脹・発赤・圧痛を認め(図1),左母指IP関節と左膝関節に関節炎を認めた.喘鳴や呼吸困難感などの気道症状は認めなかった.
検査結果と経過:血液検査ではCRP 5.8mg/dl,ESR 136mm/時と炎症反応の上昇を認めた.眼科診察にて両側の強膜ぶどう膜炎を認め,耳介生検で軟骨や血管周囲の炎症細胞浸潤や変性所見を認めた.以上より,再発性多発軟骨炎と診断し,ステロイド投与(プレドニゾロン1mg/kg/日)を開始したところ,速やかに症状は改善した.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.