Editorial
関節痛・関節炎の診かた and 最近の話題—総論中の総論
徳田 安春
1
1地域医療機能推進機構(JCHO)本部
pp.309
発行日 2015年4月15日
Published Date 2015/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200171
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関節痛を訴える患者さんは多い.とはいっても,「関節」が痛いという患者さんのなかには,関節外の病変のこともある.関節の周囲組織の病変だ.腱,筋,滑液包,神経,骨などである.また,関節痛でも炎症の所見がなければ「関節炎」とはいえない.腫脹や圧痛があるかどうかを診る必要があるのでフィジカルは必須となる.更年期症候群による関節痛は関節炎ではない.一方で,脊椎「関節症」は関節炎を来す.
関節炎患者を診るときに,重要なのは,その原因診断である.原因によっては緊急度・重篤度が高い.化膿性関節炎は敗血症性ショックで死に至ることもある緊急性の高い疾患である.心内膜炎による関節炎では,重篤度が高い.まず,感染症から除外することが重要といえる.このように原因診断には「考える順序」が必要であり,筆者は下表の順で,「カ」行による鑑別を考慮する.
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