特集 総合医のためのスポーツ医学ベーシックス
【トピックス】
メンタルトレーニングとアスリートの睡眠
金井 貴夫
1,2
1筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター
2水戸協同病院総合診療科
pp.153-155
発行日 2015年2月15日
Published Date 2015/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200081
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日本のスポーツ界では,本番で実力を十分に発揮できない選手は,「メンタルが弱い」というレッテルを張られ,また,日々の練習のモチベーションが上がらない選手は,「やる気がない」,「根性がない」などと選手の責任に帰され,それぞれ低い評価を受ける傾向にある.これら“メンタルの弱点”にこそ大きな“伸びしろ”があるはずであるが,「それも実力のうち」と切り捨てられているのが実情である.
一方,アスリートにとって睡眠は重要であり,睡眠の質と量の充実が,パフォーマンスのみならず,やる気,集中力,状況判断能力をも向上させ,緊張や疲労の低減に寄与することが明らかになっている.
本稿では,アスリートに対するメンタルや睡眠への介入の基本的な部分について述べる.これらの介入手法は,スポーツのみならず,ビジネス,試験・受験,演奏やプレゼンテーションなど自分の実力を発現する場面や,その準備段階に幅広く応用可能であり,患者教育にも有用となろう.
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