特集 総合医のためのスポーツ医学ベーシックス
【プライマリ・ケアで遭遇するcommonなスポーツ傷害】
上肢
馬見塚 尚孝
1
1筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター
キーワード:
脱臼
,
骨折
,
投球肘障害
Keyword:
脱臼
,
骨折
,
投球肘障害
pp.114-117
発行日 2015年2月15日
Published Date 2015/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200070
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Case
患者:15歳男性,高校1年生.硬式野球部投手.
現症と検査所見:肘痛のため塁間以上の投球が困難になり来院.肘痛初発は小学校5年生の時で,近医で上腕骨内側上顆に骨折があるといわれた.2週間の休息で肘痛は消失したため,自己判断で通院を中止した.その後も肘痛が時々あったが,自分が休むとチームが負けるため休むことができなかった.当院初診時,圧痛は肘内側側副靱帯部にあり,外反ストレステスト,moving valgus stress testが陽性であった.単純X線写真では上腕骨内側上顆下部に遊離骨片を認めた.MRIでは図1のように靱帯の肥厚や靱帯付着部の骨片を認めた.図2のように長掌筋腱をドナーとする再建が必要となる例があるため,ジュニア期の障害予防対策が重要である.
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