Japanese
English
臨床経験
バレーボール中に生じた骨折を伴わない足関節脱臼の1例
Ankle Dislocation Without Fracture : A Case Report
濱口 裕之
1
,
斎藤 令馬
1
,
藤田 伸弥
1
,
山添 勝一
1
,
野口 昌彦
2
,
平澤 泰介
2
Hiroyuki Hamaguchi
1
1国立舞鶴病院整形外科
2京都府立医科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Maizuru National Hospital
キーワード:
ankle
,
足関節
,
dislocation
,
脱臼
,
fracture
,
骨折
Keyword:
ankle
,
足関節
,
dislocation
,
脱臼
,
fracture
,
骨折
pp.321-324
発行日 2000年3月25日
Published Date 2000/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902945
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抄録:稀な外傷である骨折を伴わない足関節脱臼の1例を経験したので報告する.症例は35歳女性で,バレーボール中に左足関節底屈位で着地した際に受傷した.単純X線像では距骨は後内側に脱臼していたが骨折は認めなかった.徒手整復後に前距腓靱帯および関節包を縫合し,6週間の短下肢ギプス固定を行い,3カ月後から全荷重を許可した.本脱臼は内側型,外側型,前方型,後方型およびこれらの複合型に分類され,このうち内側型が最も多いとされる.治療法としては距骨の脱臼を整復し可及的に断裂した靱帯や関節包を縫合する.6~8週間ギプス固定し2~3週間の免荷の後,可及的に全荷重を許可するとの報告が多い.本脱臼の長期成績は一般的に良好であるが後𦙾骨動脈損傷や広範な軟部組織の損傷を合併した症例では予後不良となる可能性がある.本例では受傷後1年の現在,軽度の足関節外側不安定性を認めるが,日常生活上での愁訴はなく,日整会足部疾患治療成績判定基準では100点で経過良好である.
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