Japanese
English
特集 十二指腸主乳頭と副乳頭の病態に迫る
各論
傍乳頭憩室と胆道,膵疾患
The relationship between juxtapapillary duodenal diverticula and pancreaticobiliary disease
江川 直人
1
,
田畑 拓久
2
,
来間 佐和子
2
,
原 精一
2
,
神澤 輝実
2
Naoto EGAWA
1
,
Taku TABATA
2
,
Sawako KURUMA
2
,
Seiichi HARA
2
,
Terumi KAMISAWA
2
1東京都立松沢病院 内科
2がん・感染症センター都立駒込病院 消化器内科
1Department of Internal Medicine, Tokyo Metropolitan Matsuzawa Hospital
2Department of Gastroenterology, Tokyo Metropolitan Cancer and Infectious diseases Center Komagome Hospital
キーワード:
傍乳頭憩室
,
十二指腸乳頭機能
,
胆道感染
,
胆石症
,
膵炎
Keyword:
傍乳頭憩室
,
十二指腸乳頭機能
,
胆道感染
,
胆石症
,
膵炎
pp.513-518
発行日 2012年9月15日
Published Date 2012/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100619
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要旨
傍乳頭憩室は,ERCP検査上,約10~20%に認められる.十二指腸壁の脆弱部位に生じたもので,頻度に性差はなく,年齢とともに増加する.部位的に主乳頭のOddi括約筋の機能を阻害し,β-グルクロニダーゼ産生菌の胆管への逆行性感染をきたしうる.その結果,総胆管結石の形成に関わると考えられているが,胆囊結石形成とも関連しうることも示唆されている.膵疾患との関連は不明であり,症例報告はあっても,膵炎の成因としての役割は少ないと思われる.治療は合併した病態,疾患に対して行うが,憩室そのものに対する外科的処置の適応については慎重にすべきである.
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