腹痛を診る-非専門医に求められる初期診療 疾患各論
肝・胆・膵の疾患
石川 英樹
1
,
山田 健太
,
川嶋 啓揮
,
大野 栄三郎
,
廣岡 芳樹
1国家公務員共済組合連合会東海病院 内視鏡センター
キーワード:
肝細胞癌
,
肝臓疾患
,
肝膿瘍
,
膵炎
,
総胆管結石症
,
胆管炎
,
胆石症
,
胆道疾患
,
胆嚢炎
,
破裂-自然
,
腹痛
,
腹部CT
Keyword:
Cholecystitis
,
Cholelithiasis
,
Biliary Tract Diseases
,
Cholangitis
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Liver Abscess
,
Liver Diseases
,
Pancreatitis
,
Rupture, Spontaneous
,
Abdominal Pain
,
Choledocholithiasis
pp.759-763
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016410197
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肝臓は沈黙の臓器と呼ばれるが痛みを生じるのは肝細胞がん破裂と肝膿瘍である.原因不明の高熱であれば鑑別として肝膿瘍も考慮する.CTで描出されない胆石があり,腹部超音波を併用するべし.急性胆嚢炎,胆管炎は緊急ドレナージが必要となり,重症化することがあるため早期に消化器内科医へ紹介する.総胆管結石では腹痛,黄疸,発熱などの症状が消長することがある.黄疸の初期症状として,患者は尿の濃染に気づくことが多い.膵炎の背部痛は仰臥位で寝られないことが多く,横向きになり膝を胸につけるような姿勢をとる(胸膝位)と痛みが軽快することがポイント.
©Nankodo Co., Ltd., 2016