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特集 肝門部胆管癌の進展度と手術術式
各論
水平方向進展からみた術式立案
肝門部胆管癌に対する右3区域・尾状葉切除の適応と実際
Indications and surgical technique of right trisectionectomy with caudate lobectomy of the liver for patients with hilar cholangiocarcinoma
平野 聡
1
,
高田 実
1
,
田本 英司
1
,
寺本 賢一
1
,
村上 壮一
1
,
松本 譲
1
,
加藤 健太郎
1
,
土川 貴裕
1
,
七戸 俊明
1
,
田中 栄一
1
,
近藤 哲
1
Satoshi HIRANO
1
,
Minoru TAKADA
1
,
Eiji TAMOTO
1
,
Ken-ichi TERAMOTO
1
,
Soichi MURAKAMI
1
,
Joe MATSUMOTO
1
,
Kentaro KATO
1
,
Takahiro TSUCHIKAWA
1
,
Toshiaki SHICHINOHE
1
,
Eiichi TANAKA
1
,
Satoshi KONDO
1
1北海道大学大学院 医学研究科 腫瘍外科学
1Department of Surgical Oncology,Hokkaido University Graduate School of Medicine
キーワード:
肝門部胆管癌
,
右3区域切除術
,
胆管分離限界点
,
進展度診断
,
肝予備能
Keyword:
肝門部胆管癌
,
右3区域切除術
,
胆管分離限界点
,
進展度診断
,
肝予備能
pp.131-137
発行日 2011年3月15日
Published Date 2011/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100367
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要旨
右3区域切除術における胆管の切離限界点は門脈左枝臍部の左側縁にあたる.肝門部胆管癌のうち右からの肝切除が必要な症例で,水平(胆管長軸)方向進展がこの限界点を越えないが,右葉切除の限界点である門脈臍部右縁を越えて進展するものが本術式の適応となる.胆管癌の水平方向の進展度診断は浸潤癌の場合,精密胆道造影におけるテーパリングを伴う狭窄像で診断可能であるが,表層拡大進展の診断は容易でなく,生検を含めた複数のmodalityを総合的に評価して診断を確定する必要がある.本術式は定型的肝切除の中で肝切除量は最大となり,黄疸肝に対してこれを行う場合には肝予備能の良好な例が適応となるが,その厳密な評価とともに減黄処置や門脈塞栓など,的確な周術期管理が求められる.
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