膵頭十二指腸切除のすべて
膵頭十二指腸切除におけるリンパ節・神経叢郭清法
平野 聡
1
,
近藤 哲
,
高田 実
,
田本 英司
,
寺本 賢一
,
村上 壮一
,
松本 譲
,
加藤 健太郎
,
土川 貴裕
,
七戸 俊明
,
田中 栄一
1北海道大学 腫瘍外科
キーワード:
後腹膜腔
,
膵臓腫瘍
,
膵頭十二指腸切除
,
リンパ節郭清
,
上腸間膜動脈
,
ランダム化比較試験
,
肝十二指腸間膜
Keyword:
Lymph Node Excision
,
Pancreatic Neoplasms
,
Retroperitoneal Space
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Pancreaticoduodenectomy
,
Mesenteric Artery, Superior
pp.1164-1169
発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011021231
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膵頭十二指腸切除術は適応とする疾患ごとに異なるリンパ節・神経叢郭清が求められる。膵頭部癌においては日本を含めた複数のランダム化比較試験(randomized controlled trial:RCT)によって、かつて本邦で主流であった拡大郭清の意義はうすれ、症例に応じて癌の遺残のない標準的な切除を行い、術後の生活の質(QOL)を維持することに主眼がおかれ始めた。一方、下部胆管癌、十二指腸乳頭部癌の高度リンパ節転移例に対する積極的なリンパ節郭清は、いまだ治療的意義を有すると考えられるが、神経叢郭清はほとんどの場合、膵頭周囲の限局的郭清のみで十分である。
©Nankodo Co., Ltd., 2010