Japanese
English
特集 肝胆膵の転移性腫瘍
総説
肝の転移性腫瘍―病理
Pathology of secondary tumours of the liver
中沼 安二
1
,
佐藤 保則
1
,
原田 憲一
1
Yasuni NAKANUMA
1
,
Yasunori SATO
1
,
Kenichi HARADA
1
1金沢大学大学院 医学系研究科形態機能病理学
1Department of Human Pathology,Kanazawa University Graduate School of Medicine
キーワード:
転移性肝腫瘍
,
大腸癌
,
二重血行支配
,
血行性転移
,
栄養血管
Keyword:
転移性肝腫瘍
,
大腸癌
,
二重血行支配
,
血行性転移
,
栄養血管
pp.565-572
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100300
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要旨
肝は門脈と肝動脈の二重血行支配を受け,豊富な血液が流入しており,肝には悪性腫瘍の転移が血行を介してしばしば発生する.転移性肝腫瘍の原発巣として膵・胆道癌,上部,および下部消化管癌,肺癌,乳癌が代表的である.肉眼形態は種々であるが,結節型が多い.原発性肝癌との鑑別には,光顕的観察に加え,免疫染色が有用である.膵や胆道癌の肝転移と肝内胆管癌の鑑別は,生検のみでは困難な例が多い.転移性肝癌の予後は,原発巣の癌の生物学的悪性度,さらに肝を含めた転移の状態などによって決まることが多く,肝転移は多くの悪性腫瘍の予後規定因子の1つとなっている.肝転移を含めた転移の制御が悪性腫瘍の克服につながると期待される.
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