Japanese
English
今月の特集 対比して学ぶエコー所見で鑑別に悩む疾患
肝:転移性肝腫瘍と肝血管腫
Liver: hepatic metastatic liver tumor and hepatic hemangioma
山本 幸治
1
1社会福祉法人恩賜財団済生会松阪総合病院医療技術部/検査課
キーワード:
転移性肝腫瘍
,
肝血管腫
,
超音波
,
mSMI
,
ソナゾイド造影超音波
Keyword:
転移性肝腫瘍
,
肝血管腫
,
超音波
,
mSMI
,
ソナゾイド造影超音波
pp.6-10
発行日 2021年1月15日
Published Date 2021/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202538
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
超音波検査において転移性肝腫瘍は,腫瘍の形状は円形で境界は明瞭であることが多いが,不整形で境界が不明瞭の場合もある.内部エコー輝度は原発巣の特徴を反映してさまざまなエコーレベルを呈する.1cm以下の腫瘍では低エコー結節が多い.胃・大腸癌などの粘液が産生される場合は石灰化を呈する場合がある.肝内に多発する腫瘍性病変を認めた場合はまずは転移性肝腫瘍を疑うことが必要である.多発する場合に腫瘍が集簇・融合して一塊となり,分葉状を呈するcluster signを認めることがある.肝血管腫は腫瘍の形状は小さなものは類円形が多いが,大きなものは不整形もあるが境界は明瞭である.内部エコー輝度は低,高エコー結節から低・高エコーが混在するものがあり,辺縁に高エコー帯(marginal strongecho)を有する腫瘍もある.径2cm以下では90%以上が高エコー腫瘍に描出されるが,2cmを超えると低・高エコー混在の腫瘍が多く描出される.
本稿では,肝臓内の高エコー腫瘍における転移性肝腫瘍と肝血管腫の鑑別について解説する.
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.