Japanese
English
特集 胆管狭窄に迫る―悪性との鑑別が問題となる良性胆管狭窄
良性胆管狭窄の病理
Pathology of benign stricture of the biliary tract
中沼 安二
1
,
原田 憲一
1
,
佐藤 保則
1
,
池田 博子
2
Yasuni NAKANUMA
1
,
Kenichi HARADA
1
,
Yasunori SATO
1
,
Hiroko IKEDA
2
1金沢大学大学院医学系研究科 形態機能病理学
2金沢大学附属病院 病理部
1Department of Human Pathology,Kanazawa University Graduate School of Medicine,Ishikawa
2Section of Diagnostic Pathology,Kanazawa University Hospital,Ishikawa
キーワード:
胆管系
,
胆管循環
,
胆管狭窄
,
硬化性胆管炎
,
胆管周囲嚢胞
Keyword:
胆管系
,
胆管循環
,
胆管狭窄
,
硬化性胆管炎
,
胆管周囲嚢胞
pp.287-295
発行日 2010年5月15日
Published Date 2010/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100261
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要旨
胆管系の良性狭窄を示す病態・疾患を,病理の観点から解説した.良性の胆管狭窄をきたす代表的な疾患は硬化性胆管炎であり,原発性と続発性(獲得性)に分けられる.原発性は原因不明であり,5~10%の頻度で胆管癌を合併する.続発性として,IgG4関連硬化性胆管炎が最近注目されている.その他,感染性,虚血性胆管炎,さらに胆管結石症に付随する症例がある.胆管周囲付属腺が嚢胞状に拡張し,胆管狭窄をきたすことがあり,また,胆管周囲に発達した門脈側副血行路による胆管狭窄も報告されている.これらの疾患は,頻度は低いが,悪性の胆管狭窄との鑑別に重要である.
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