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要旨
膵内分泌腫瘍は新WHO分類で,well-differentiated endocrine tumor,well-differentiated endocrine carcinoma,poorly-differentiated endocrine carcinoma/small cell carcinoma,mixed exocrine-endocrine carcinomaの4つの病理組織型に分類された.前2者では腫瘍細胞の産生する膵島ホルモンによる症候の有無により,機能性,非機能性に分け,膵島ホルモンの種類により細分化した.非機能性(非症候性)腫瘍の場合はホルモン名に-omaをつけて命名すべきでなく,機能性腫瘍(症候性)に限って-omaを使用すべきとしている.後2者は,概念が曖昧であったが,今回独立した疾患概念とした.悪性度に関する病理組織学的指標では,腫瘍が膵臓に限局しているか否か,肉眼的な膵外浸潤があるか否か,遠隔転移の有無,腫瘍径,細胞分裂数,MIB-1/Ki-67の標識率,脈管侵襲の有無,神経周囲浸潤の有無により,well-differentiated endocrine tumor(benign behaviour),well-differentiated endocrine tumor uncertain behaviour,well-differentiated endocrine carcinoma(low grade malignant),poorly-differentiated endocrine carcinoma(high grade malignant)に分類される.分類の指標では,“膵内分泌腫瘍の2の法則”が注目を集めているが,WHO分類のtableでは,未満(<),以下(≦),以上(≧),それ以上(>)の使い方が誤っていて,「2」そのものはどちらに含めるかが不明である.MIB-1/Ki-67の標識率では,染色および解釈の統一が求められている.
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