Japanese
English
特集 粘液産生胆管腫瘍―その疾患概念は?
胆管囊胞腫瘍(biliary cystadenoma/adenocarcinoma)の病理―肝のMCNと言えるか
Pathology of Biliary Cystadenoma/Cystadenocarcinoma-Is Biliary Cystadenoma/Cystadenocarcinoma Hepatic MCN?
信川 文誠
1
,
須田 耕一
1
,
高瀬 優
1
,
阿部 佳子
1
,
塩野 さおり
2
Bunsei NOBUKAWA
1
,
Koichi SUDA
1
,
Masaru TAKASE
1
,
Keiko ABE
1
,
Saori SHIONO
2
1順天堂大学医学部人体病理病態学
2順天堂大学浦安病院臨床病理科
1Department of Human Pathology,Juntendo University School of Medicine,Tokyo
2Department of Clinicopathogy,Juntendo University Urayasu Hospital,Chiba
キーワード:
卵巣MCN
,
膵MCN
,
肝MCN
,
卵巣様間質
,
胆管との交通
Keyword:
卵巣MCN
,
膵MCN
,
肝MCN
,
卵巣様間質
,
胆管との交通
pp.229-234
発行日 2007年5月15日
Published Date 2007/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100576
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要旨 胆管囊胞腫瘍(biliary cystadenoma/adenocarcinoma)は,「肝癌取扱い規約」で扱われており,肝mucinous cystic neoplasm(MCN)と肝intraductal papillary-mucinous neoplasm(IPMN)を含めた粘液産生胆管腫瘍が相当する.膵臓においては,MCNとIPMNの混同はほぼ解消されたものと考えられるが,肝内胆管においては,未整理のままとなっているのが現状である.
MCNは卵巣で頻度が高いが,膵臓や肝臓など卵巣以外にもみられる.膵MCNはしばしば経験されるが,肝MCNは稀である.両者は組織像が極めて類似しており,ともに卵巣MCNの類縁疾患と捉えられる.
肝MCNの真の臨床病理像を解明するためには,診断基準に卵巣様間質の有無を含め,胆管囊胞腫瘍を肝MCNと肝IPMNに分けて分類する必要がある.現行の「原発性肝癌取扱い規約」の胆管囊胞腫瘍の項目の速やかな改訂が望まれる.
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