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はじめに
本特集号のテーマは2009年に品川で開催された第10回臨床消化器病研究会〔2009年7月25日(土),肝胆膵の部:真口宏介代表世話人〕における主題であった.このテーマを提案したのが筆者自身であったこともあり,当日,順天堂大学人体病理病態学の信川文誠先生とともに司会を務めさせていただいた.応募にあたり“主題のねらい”として以下の症例募集のお知らせを配布した.
「膵内分泌腫瘍は比較的稀な膵腫瘍で,ホルモン産生能を有する機能性腫瘍と有さない非機能性腫瘍に分類される.前者はホルモン産生の種類により,インスリノーマ,グルカゴノーマ,ソマトスタチノーマ,ガストリノーマなどと称される.一般的には血流に富む腫瘍とされているが,実際の各種画像検査では,典型的な多血性のものから非典型的な乏血性のものまで様々な画像所見を呈することが知られている.一方,近年,他の多くの臓器に発生する神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor;NET)という新しい概念が提唱されている.これに伴い,神経内分泌腫瘍の病理組織分類も再編成され,膵内分泌腫瘍の病理組織分類も新たなものが提唱された.本セッションでは典型的から非典型的な膵内分泌腫瘍の画像を病理組織学的所見とあわせて提示していただき,最近の話題とあわせて膵内分泌腫瘍への理解を深めたいと思う.多数の応募を期待する.」
この募集に対してなんと18題もの応募があった.いずれも大変興味深い症例であったが,時間の制約もあり,残念ながら8演題に絞らせていただいた(表1).ちなみに司会の2施設からの演題も採択されなかったことを付け加えておきたい.
本特集では膵内分泌腫瘍診断の新しい話題として,信川先生に“膵内分泌腫瘍の新しい病理診断”を,尾道総合病院内視鏡センターの花田先生に“膵内分泌腫瘍の画像診断”を総説として解説いただいた.そして,前述の研究会で発表された演者の先生方のうち7例を主題演題として解説していただいた.
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