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特集 原発性硬化性胆管炎と自己免疫性膵炎の最前線
自己免疫性膵炎の治療と長期予後
Treatment and Long-Term Prognosis of Autoimmune Pancreatitis
西野 隆義
1
,
白鳥 敬子
1
Takayoshi NISHINO
1
,
Keiko SHIRATORI
1
1東京女子医科大学消化器内科
1Department of Gastroenterology,Tokyo Women's Medical University
キーワード:
自己免疫性膵炎
,
胆管狭窄
,
プレドニゾロン
,
長期予後
Keyword:
自己免疫性膵炎
,
胆管狭窄
,
プレドニゾロン
,
長期予後
pp.379-383
発行日 2005年5月15日
Published Date 2005/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100103
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要旨 自己免疫性膵炎の治療の要点は,まず膵癌,胆管癌を除外し,黄疸例では減黄処置を施行する.自然緩解例も存在するが,閉塞性黄疸例で減黄処置後も膵・胆道の所見が改善しない症例や,膵炎を繰り返す例,他臓器障害合併例はステロイド治療の適応と考えられる.ステロイドの初期投与量はプレドニゾロン(PSL)で30~40 mg/日から開始し,臨床徴候,血液生化学検査,血清gグロブリン・IgG・IgG4値および画像所見を参考として適宜減量する.ステロイドの離脱も可能であるが,2.5~5 mg/日を維持量とする例が多い.
自己免疫性膵炎の長期予後については,報告が少ないが,膵炎の再燃および膵石灰化を来たす症例があり,十分な経過観察が必要である.今後症例を蓄積し,長期予後を検討する必要がある.
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