Japanese
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特集 早期膵癌――StageⅠへのアプローチ
序説・日本の膵癌の現況と将来―早期発見を目指して
Current status of pancreatic cancer in Japan:perspective for early diagnosis
田中 雅夫
1
Masao TANAKA
1
1九州大学大学院医学研究院臨床・腫瘍外科(第一外科)
1Department of Surgery and Oncology,Graduate School of Medical Sciences,Kyushu University,Fukuoka
キーワード:
膵癌
,
危険因子
Keyword:
膵癌
,
危険因子
pp.479-481
発行日 2008年11月15日
Published Date 2008/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100086
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要旨
日本膵臓学会の膵癌登録には登録開始後24年間で184例のTS1膵癌が蓄積されている.しかし,残念ながらそのうち StageⅠに分類されるのは膵頭部癌でも15.3%に過ぎず,ほとんどが進行癌である.早期膵癌と称することのできるものが本当にあるのかどうか,その概念の検討が必要である.膵癌は集団検診の効率が悪いために,高リスク群の設定が重要である.高リスク群には慢性膵炎,糖尿病,膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN:intraductal papillary mucinous neoplasm),遺伝性膵癌,遺伝性慢性膵炎,家族性大腸腺腫症などがある.最近,IPMNを含む膵の小囊胞が危険因子であることが報告されている.早期膵癌の概念はともかく,より適切な高リスク群の認識が普及すれば,膵癌といえども早期診断は不可能ではない.
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