State of the Art
MDCTで発見された先天性胆道拡張症合併微小胆管癌の1例
中川原 寿俊
1
,
萱原 正都
1
,
田島 秀浩
1
,
北川 裕久
1
,
太田 哲生
1
,
蒲田 敏文
2
,
松井 修
2
,
全 陽
3
,
上野 桂一
4
1金沢大学医学部消化器・乳腺外科
2金沢大学医学部放射線科
3金沢大学付属病院病理部
4舩木・上野病院外科
pp.163-165
発行日 2008年3月15日
Published Date 2008/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100028
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患者 55歳,女性.
主訴 特になし.
既往歴 C型慢性肝炎.
現病歴 C型慢性肝炎にて近医通院中の2002年1月,CTにて先天性胆道拡張症を指摘され,手術を勧められた.しかし,C型慢性肝炎の増悪を心配して,手術を拒否.以後近医で半年ごとのCTで経過観察されていた.2006年5月,CT上では腫瘍性病変の出現等は認めないものの,再度手術を勧められ,当院紹介となった.
現症 腹部平坦・軟で圧痛を認めず.
入院時検査成績 血液・生化学検査では異常所見はなかった.腫瘍マーカーでは,DUPAN-IIが183U/mlと軽度上昇を認めた.
腹部CT 胆管は総肝管から膵内胆管にかけて拡張しており,下部拡張胆管壁に,造影効果を有する直径2mmの結節性病変を認めた(図1a).また膵内拡張胆管壁に,造影効果を有する直径2mmの結節性病変を認めた(図1b矢印).
ERCP検査所見 主膵管よりnarrow segment(図2a矢印)を介して囊腫状胆管が造影され,拡張胆管壁には,CTで指摘された結節性病変に一致して2か所に透亮像が指摘された(図2b矢印).
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