知っておくべき胆嚢癌の診療方針
疫学 胆道癌登録成績からみた胆嚢癌の疫学
萱原 正都
1
,
谷 卓
,
中川原 寿俊
,
北川 裕久
,
高村 博之
,
田島 秀浩
,
大西 一朗
,
太田 哲生
1金沢大学 大学院がん局所制御学
キーワード:
腫瘍進行度
,
性因子
,
生存率
,
胆石症
,
胆嚢腫瘍
,
生存分析
,
治療成績
,
登録
,
年齢分布
,
膵胆管合流異常
Keyword:
Cholelithiasis
,
Gallbladder Neoplasms
,
Neoplasm Staging
,
Sex Factors
,
Registries
,
Survival Rate
,
Survival Analysis
,
Treatment Outcome
,
Age Distribution
pp.1242-1247
発行日 2007年11月1日
Published Date 2007/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007348325
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1988~1997年の胆道癌登録成績をもとに胆嚢癌の疫学について解説した。胆嚢癌4,770例のうち男性が1,744例、女性が3,026例と女性が多かった。膵胆管合流異常症のない4,520例中の2,156例(47.7%)に胆石症の合併がみられた。膵胆管合流異常症250例(5.2%)の平均年齢は58歳と全症例の66歳に比べ有意に若く、男女比も1:5.8と女性の優位性が明確に認められた。患者年齢も重要な予後因子であり、とくにStage I,II症例においては高齢者の予後は有意に不良であった。また、Stage I,IIでは女性の予後が有意に良好であったが、Stage III以上では性別による予後の差はみられなかった。膵胆管合流異常合併胆嚢癌は胆石合併胆嚢癌よりも有意に(p<0.01)予後良好であったが、胆石合併の有無による胆嚢癌の予後の差はみられなかった。
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