講座 MRIの基礎から臨床応用
肝悪性腫瘍の診断
倉田 忠宜
1
1慶應義塾大学医学部放射線診断科
pp.245-251
発行日 2000年3月15日
Published Date 2000/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900501
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はじめに
近年,MRIの高速撮像技術が進歩し,肝臓全体を1回の呼吸停止下で撮像できるようになってきた.Gd製剤を経静脈性に急速注入し,経時的に撮像するdynamic studyは,病変の質的評価,広がり診断に広く利用されている.さらに肝特異性造影剤Feridex®が1997年秋から市販され,普及してきている.Gd製剤とFeridex®の使い分けは施設によって差があると思われるが,一般的には初回スクリーニング検査ではGd製剤が使用されることが多い.Feridex®はGd造影MRIやCTで指摘された病変の存在診断,A-Pシャントなどのpseudolesionの除外,質的評価(細網内皮系の存在の有無)を目的として用いられることが多い.
本稿では肝悪性疾患を中心に主に非造影MRI,およびGd造影MRIについてその所見を解説し,最近使用されるようになってきたFeridex®造影MRIについても若干の症例を提示したいと思う.
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