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特集 消化器外科医に必要な低侵襲治療の知識
肝悪性腫瘍に対する凍結治療
Cryoablation for hepatic malignancies
田辺 稔
1
,
若林 剛
2
,
上田 政和
1
,
島津 元秀
1
,
河地 茂行
1
,
北島 政樹
1
Minoru TANABE
1
1慶應義塾大学医学部外科
2岩手医科大学第1外科
キーワード:
肝癌
,
局所治療
,
凍結治療
Keyword:
肝癌
,
局所治療
,
凍結治療
pp.1201-1208
発行日 2006年9月20日
Published Date 2006/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101128
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要旨:現在,肝癌の治療分野ではラジオ波やマイクロ波など局所治療としての焼灼術が重要な役割を果たしている.しかし,肝内胆管の熱損傷や局所麻酔下焼灼時の疼痛などの短所があるほか,焼灼可能な腫瘍の大きさは3~4cm程度までが一般的な限界である.近年開発された高圧アルゴンガスを冷媒とした凍結治療装置は強力かつ迅速な組織凍結を実現したばかりでなく,プローブの加温や複数のプローブの同時使用,細かな出力設定が可能であり,液体窒素を冷媒とした従来の機種と比較して格段に治療装置としての能力が向上している.凍結治療は肝内胆管を損傷するリスクが少なく,大きなサイズの腫瘍も一期的に治療ができる.また,局所麻酔下手術では凍結時の疼痛が皆無であるなど,焼灼術にはない様々な特徴を有する.本稿では,肝癌に対する凍結治療の新たな可能性について触れた.
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