Japanese
English
特集 門脈圧亢進症の病態と治療
肝不全の成因における門脈因子の関与―B-RTOによる肝不全の改善
Improvement of Chronic Hepatic Failure with B-RTO
植松 孝広
1
,
加藤 則廣
1
,
森脇 久隆
1
,
西垣 洋一
2
,
杉原 潤一
2
,
冨田 栄一
2
Takahiro UEMATSU
1
,
Tomohiro KATO
1
,
Hisataka MORIWAKI
1
,
Yoichi NISHIGAKI
2
,
Jun-ichi SUGIHARA
2
,
Eiichi TOMITA
2
1岐阜大学医学部第一内科
2岐阜市民病院消化器内科
1The First Department of Internal Medicine, Gifu University School of Medicine
2Department of Gastroenterology, Gifu Municipal Hospital
キーワード:
慢性肝不全
,
肝性脳症
,
門脈―大循環短絡
,
B-RTO
,
不完全閉塞
Keyword:
慢性肝不全
,
肝性脳症
,
門脈―大循環短絡
,
B-RTO
,
不完全閉塞
pp.779-784
発行日 2001年11月15日
Published Date 2001/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900354
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
慢性肝不全の臨床症状の中で,最も特徴的なものは肝性脳症である.門脈因子の関与が大きいと考えられる巨大な門脈―大循環短絡路を有する肝硬変脳症6例にバルーン下逆行性経静脈的塞栓術(B-RTO)を施行した.6例のうち5例はB-RTO施行後も短絡路は残存したが,全例において脳症の改善と血中アンモニア値の低下を認めた.また2例に脳症の再発を認めたが,B-RTOを再度施行することで軽快しており長期予後も良好であった.B-RTO施行1年後の肝機能はアンモニア値のみ有意に低下し,総ビリルビン値,アルブミン値,ASTは有意な変動を認めなかった.B-RTOによる門脈因子の軽減は,巨大な門脈―大循環短絡路を有する肝硬変脳症の治療として有用である.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.