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特集 十二指腸乳頭部腫瘍―診断と治療をめぐる最近の話題
家族性大腸腺腫症における十二指腸乳頭部腫瘍
Periampullary Tumors in Familial Adenomatous Polyposis
金谷 剛志
1
,
國廣 理
1
,
関戸 仁
1
,
山口 茂樹
1
,
高橋 正純
2
,
嶋田 紘
1
Koji KANAYA
1
,
Osamu KUNIHIRO
1
,
Hitoshi SEKIDO
1
,
Shigeki YAMAGUCHI
1
,
Hiroshi SHIMADA
2
,
Masazumi TAKAHASHI
1
1横浜市立大学医学部第二外科
2横浜市立市民病院外科
1Second Department of Surgery, Yokohama City University School of Medicine
2Division of Surgery, Yokohama Municipal Citizens Hospital
キーワード:
家族性大腸腺腫症
,
FAP
,
十二指腸乳頭部腫瘍
Keyword:
家族性大腸腺腫症
,
FAP
,
十二指腸乳頭部腫瘍
pp.209-213
発行日 2001年3月15日
Published Date 2001/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900276
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Familial Adenomatous Polyposis;FAP (家族性大腸腺腫症)はAPC遺伝子に異常を持つ疾患で,通常大腸に100個以上の腺腫を発生し,放置するとほぼ全例で癌化するものである.FAP患者には,大腸以外にも上部消化管,骨軟部組織,甲状腺などに腫瘍が発生し,中でも,十二指腸乳頭部における癌発生は予防的大腸全摘術を受けた患者の予後を左右する重要な因子である.ただし,上部消化管の腺腫の癌化率は大腸腺腫のそれと比較すると低く,したがって,乳頭部を含めた十二指腸の腺腫に対しては,予防的幽門輪温存膵頭十二指腸切除術PpPDは適応となりがたい.とはいえ乳頭部癌が発生する危険は正常人に比べ高く,内視鏡的乳頭切除,局所切除を含めた過不足のない治療を選択することによりQOLを低下させることなく長期生存が期待できる.
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