研究会紹介
大阪肝穿刺生検治療研究会
大崎 往夫
1
1大阪赤十字病院消化器内科
pp.137
発行日 2001年1月15日
Published Date 2001/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900266
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研究会発足の背景と10年間の経緯 本研究会は1990年11月に大阪肝穿刺生検研究会として発足した.当時は各種画像診断,特に超音波診断装置の進歩により肝内の小結節性病変の検出が飛躍的に向上した時期である.質的診断のために超音波下での腫瘍穿刺生検が広がり,肝癌の早期診断,微小肝癌の診断熱が高まっていた.しかし早期で小さなものは高分化で異形性に乏しく,また種々の肝癌類似病変の存在もあり画像的にも病理学的にもその質的診断は困難であった.他方,久留米大学谷川久一教授,神代正道教授,国立がんセンター病理部の広橋説雄先生らの検討により最小肝癌の病理学的特徴が明らかにされてきており,臨床現場に即応した最小肝癌をめぐる諸問題,特に生検およびその病理所見に関して検討する場が求められていた.幸い大阪には肝臓病理に造詣の深い先生方が多く,桜井幹己先生(当時大阪市立大学病理学教授),石黒信吾先生(大阪府立成人病センター病理),岡村明治先生(当時関西医科大学中検病理助教授)および関西医科大第3内科井上恭一教授の御協力を得て,大﨑往夫(大阪赤十字病院消化器内科),春日井博志(大阪府立成人病センター第3内科),岡博子(大阪市大第3内科,現大阪市立総合医療センター消化器内科),関壽人(関西医大第3内科,現助教授),工藤正俊(神戸中央市民病院消化器センター内科,現近畿大学消化器内科教授)の5人を世話人とした.
5年を経過した1995年12月,初期の目的は達成し得たとの認識から,対象を生検症例にとどまらず,治療も含めて広く肝癌,肝疾患とし,臨床例に則して病理と臨床とがフランクに討論する場として改組,名称を大阪肝穿刺生検治療研究会とした.
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