連載 久米エコー:手術のための立体的進展度診断
1.肝門部胆管癌のUS―どっちを摘(と)るの?
久米 明倫
1
,
二村 雄次
1
1名古屋大学医学部第一外科
pp.124-130
発行日 2001年1月15日
Published Date 2001/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900264
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〈連載にあたって〉
こんにちは,二村です.名古屋大学第一外科では,特に肝胆膵領域の進行癌症例に対する拡大手術を積極的に行っています.昨今のQOLを重視した縮小手術の風潮から私たちの拡大手術に批判的な考えをお持ちの先生方もいらっしゃるとは思いますが,根治切除を行った症例の中からしか長期生存例が得られないことも事実で,全国の病院でいったん切除不能と診断された大勢の患者さんが,インターネットで当院を捜し当て,一縷の望みをかけて駆け込んできていることも事実です.これらの大手術を成功させるためには,各種画像診断を駆使した正確な術前進展度診断が必要不可欠です.体外式超音波検査(US)は肝胆膵疾患のスクリーニング検査のみならず精密検査としても有用ですが,肝胆膵領域の進行癌に対するUSによる外科的進展度診断についての解説書は皆無です.当科のUS担当の久米先生は,黙って1時問ぐらい検査を行ったかと思えばまるで腹の中に入って見てきたような診断レポートを書き上げ,実際開腹してみるとレポートそっくりだったという離れ技をやってのけるUSオタクですが,私が検査を見学していても何をポイントに何を考えながら行っているのかさっぱりわかりません.そこで今回から始める本シリーズでは,私が読者の皆さんに代わって,US施行中の久米先生から,検査のポイントと超精密USの秘訣を探ってみようと思います.
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