Japanese
English
特集 早期胆嚢癌―最新の画像診断と治療
早期胆嚢癌の肉眼的および組織学的特徴
Early Gallbladder Cancer:Macroscopic and Histological Features
若井 俊文
1
,
渡辺 英伸
1
,
味岡 洋一
1
,
西倉 健
1
,
橋立 英樹
1
,
山野 三紀
1
,
江畑 智希
1
,
生天目 信之
1
,
長倉 成憲
2
,
横山 直行
2
,
野村 達也
2
,
伊達 和俊
2
,
大橋 泰博
2
,
白井 良夫
2
,
畠山 勝義
2
Toshifumi WAKAI
1
,
Hidenobu WATANABE
1
,
Youichi AJIOKA
1
,
Ken NISHIKURA
1
,
Hideki HASHIDATE
1
,
Miki YAMANO
1
,
Tomoki EBATA
1
,
Nobuyuki NABATAME
1
,
Shigenori NAGAKURA
2
,
Naoyuki YOKOYAMA
2
,
Tatsuya NOMURA
2
,
Kazutoshi DATE
2
,
Yasuhiro OOHASHI
2
,
Yoshio SHIRAI
2
,
Katsuyoshi HATAKEYAMA
2
1新潟大学医学部第一病理
2新潟大学医学部第一外科
1The First Departmento of Pathology, Niigata University School of Medicine
2The First Department of Surgery, Niigata University School of Medicine
キーワード:
早期胆嚢癌
,
肉眼型
,
表面粘膜模様
,
細胞異型度
,
低異型度癌
Keyword:
早期胆嚢癌
,
肉眼型
,
表面粘膜模様
,
細胞異型度
,
低異型度癌
pp.11-18
発行日 2000年1月15日
Published Date 2000/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900130
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早期胆嚢癌214例,275病変を用いて,その肉眼的・組織学的特徴を検討した.なお,進行胆嚢癌408例,411病変を対照として,早期胆嚢癌類似の進行癌の頻度も検討した.早期胆嚢癌の肉眼型別頻度は,1型は35.3%で,このうちIp型は12.0%,Is型は23.3%であった.II型は64.7%で,このうちIIa型は37.1%,IIb型は27.6%であった.陥凹型(IIc,III)はなかった.早期胆嚢癌の肉眼的特徴として,①純粋Ip型は腺腫内癌の頻度が94%(31/33)と高く,②Is型はその周辺にIIa型やIIb型を伴う頻度が93.8%(60/64)と高かった.③最大径20mm以上の癌が62.9%(173/275)と高頻度であったなどが挙げられた.組織学的特徴としては,高分化型腺癌(乳頭腺癌や高分化型管状腺癌)の頻度が圧倒的に高く,そのうち,細胞増殖能の低い低異型度癌の頻度が55%と高いことが挙げられた.II型の臨床診断率は28.7%と低いが,病理肉眼診断の段階で平坦型・顆粒型の表面粘膜模様を捉え,顆粒癒合を認識することで84.3%肉眼診断できた.進行癌のうち,IIa型やIIb型類似の進行胆嚢癌は21.7%(89/411)と高頻度にみられたが,その臨床診断率は37.1%(33/89)と低かった.早期胆嚢癌の肉眼的特徴は進行癌にも応用可能で,表面粘膜模様の特徴を捉えることが重要である.
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