Japanese
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特集 粘液産生胆管腫瘍―その疾患概念は?
主題症例
胆管囊胞腺癌の1例
A Case of Bile Duct Cystadenoma/Cystadenocarcinoma
皆川 正己
1
,
幕内 雅敏
1
Masami MINAGAWA
1
,
Masatoshi MAKUUCHI
1
1東京大学大学院医学系研究科 肝胆膵外科・人工臓器移植外科
1Department of Hepato-Biliary-Pancreatic Surgery,Department of Artificial Organ and Transplantation,Graduate School of Medicine,University of Tokyo,Tokyo
キーワード:
胆管内乳頭粘液性腫瘍
,
胆管囊胞腺腫
,
胆管囊胞腺癌
,
卵巣様間質
Keyword:
胆管内乳頭粘液性腫瘍
,
胆管囊胞腺腫
,
胆管囊胞腺癌
,
卵巣様間質
pp.267-272
発行日 2007年5月15日
Published Date 2007/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100582
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要旨 粘液を産生する胆管由来の腫瘍には,胆管内乳頭粘液性腫瘍と胆管囊胞腺腫(癌)がある.前者は肝内胆管癌の胆管内発育型あるいは胆管癌の乳頭型と分類されている腫瘍であり,多量の粘液が胆管内に充満し,黄疸,腹痛,胆管炎を起こすことが特徴である.東南アジアにおいては,肝内結石を高率に合併することが知られている.胆管囊胞腺腫(癌)は薄い隔壁のある多房性囊胞であり,内部に粘液を貯溜している,癌では内腔に乳頭状の隆起性病変が見られることが多い.胆管囊胞腺腫では高率に卵巣様間質を伴うが胆管囊胞腺癌ではこの頻度は低い.また胆管と交通のない症例もあるが,大きな交通がある症例もあり,この場合は胆管乳頭粘液性腫瘍と類似の症状を呈し,両者の鑑別が問題となる.
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