Japanese
English
特集 粘液産生胆管腫瘍―その疾患概念は?
主題症例
典型的な胆管囊胞腫瘍の1例
A Case of Biliary Cystic Tumors
伊神 剛
1
,
梛野 正人
1
,
小田 高司
1
,
西尾 秀樹
1
,
江畑 智希
1
,
横山 幸浩
1
,
安部 哲也
1
,
二村 雄次
1
Tsuyoshi IGAMI
1
,
Masato NAGINO
1
,
Koji ODA
1
,
Hideki NISHIO
1
,
Tomoki EBATA
1
,
Yukihiro YOKOYAMA
1
,
Tetsuya ABE
1
,
Yuji NIMURA
1
1名古屋大学大学院医学系研究科腫瘍外科
1Division of Surgical Oncology,Department of Surgery,Nagoya University Graduate School of Medicine,Nagoya
キーワード:
胆管囊胞腫瘍
,
粘液産生胆管腫瘍
,
粘液産生胆管癌
Keyword:
胆管囊胞腫瘍
,
粘液産生胆管腫瘍
,
粘液産生胆管癌
pp.261-265
発行日 2007年5月15日
Published Date 2007/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100581
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要旨 患者は61歳,男性で,黄疸を主訴に受診.腹部USで肝S4を中心に,高エコー域の内容物を含む囊胞性病変を認めた.腹部CTで囊胞壁に乳頭状腫瘤を認め,肝内胆管は瀰漫性に拡張していた.囊胞ドレナージを施行,囊胞は肝門部近傍で胆管と交通しており,下部胆管にまで表層拡大進展を疑う不整像を認めたが,右後区域胆管枝には不整像を認めなかった.内視鏡所見では,囊胞内に乳頭状腫瘍と顆粒状の胆管粘膜を下部胆管にまで認め,表層拡大進展と診断した.広範な表層拡大進展を伴うS4原発の胆管MCNと診断し,肝左三区域切除,尾状葉切除,膵頭十二指腸切除を施行した.囊胞内には複数の乳頭状腫瘍が存在し,胆管とは左肝管で交通していた.腫瘍の組織学的所見は,中分化型管状腺癌,深達度ss,infβ,ly2,v1,pn2,hinf1,ginf0,panc1,pv0,du0で,卵巣様間質は認めなかった.
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