講座 症候からみた腹部エコー検査のこつ
鑑別のポイントと描出のテクニック
発熱
一二三 倫郎
1
,
山根 隆明
2
,
西小野 昭人
3
,
玉永 正博
3
,
鳥越 みどり
3
,
上野 悦子
3
1熊本赤十字病院消化器科
2熊本赤十字病院外科
3熊本赤十字病院超音波検査室
pp.903-908
発行日 2003年11月15日
Published Date 2003/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100403
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はじめに
ヒトの体温は視床下部にある体温調節中枢でコントロールされ,健常では36.0~37.0℃の範囲に保たれている.この体温調節のメカニズムが何らかの原因により障害を来し,腋下温で37.0℃を超えて体温の上昇が認められる場合を,一般的には“発熱”と定義している.発熱の原因疾患としては,感染症(細菌性,ウイルス性,真菌性など),悪性腫瘍,膠原病,中枢神経系疾患,内分泌性疾患,肉芽腫性疾患(サルコイドーシス,Crohn病など),外傷,薬剤アレルギーなどさまざまな病態が考えられる.このように多種多様な疾患が発熱を呈するが,その中で腹部超音波検査がどのような場合に有用な診断法になりうるかについて述べてみたい.
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