Japanese
English
特集 IPMT由来浸潤癌と通常型膵管癌の違い
主題症例
術前診断に苦慮した通常型膵管癌併存IPMTの1例
A Case of Intraductal Papillary-mucinous Tumor Complicated With Minute Invasive Ductal Carcinoma
森谷 敏幸
1
,
平井 一郎
1
,
磯部 秀樹
1
,
神賀 正博
1
,
布施 明
1
,
木村 理
1
Toshiyuki MORIYA
1
,
Ichiro HIRAI
1
,
Hideki ISOBE
1
,
Masahiro KAMIGA
1
,
Akira FUSE
1
,
Wataru KIMURA
1
1山形大学器官機能統御学講座消化器・一般外科学分野
1Department of Surgery,Yamagata University School of Medicine
キーワード:
IPMI
,
膵癌
,
多発癌
Keyword:
IPMI
,
膵癌
,
多発癌
pp.65-70
発行日 2004年1月15日
Published Date 2004/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100372
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要旨 患者は66歳,男性.IPMTに対して膵体尾部切除術を施行した.2年3か月後に残膵の膵下頭枝領域に発生したIPMTに対して十二指腸温存膵頭亜全摘術を施行した.切除標本の病理組織は膵鉤部のIPMTは腺腫であったが,それとは連続性のない膵頭部に2 mmの微小浸潤癌を認めた.第2回目手術から3か月後にCTで肝十二指腸間膜内に充実性腫瘍の出現を認めたため手術を施行したが,切除不能で生検および術中放射線治療を施行した.生検の結果は腺癌であり膵癌の再発と考えられた.第3回手術後3か月目に死亡した.IPMT症例では,いわゆるIPMT由来ではない浸潤癌がIPMTとは離れた部位に存在することがあり,術前診断は困難な場合が多く,注意を要する.
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