Japanese
English
特集 肝胆膵の救急画像
門脈血栓症
Portal Vein Thrombosis
吉本 次郎
1
,
川崎 誠治
1
Jiro YOSHIMOTO
1
,
Seiji KAWASAKI
1
1順天堂大学肝胆膵外科
1Department of Hepato-Biliary-Pancreatic Surgery,Juntendo University,School of Medicine
キーワード:
門脈血栓症
,
肝外門脈閉塞症
Keyword:
門脈血栓症
,
肝外門脈閉塞症
pp.173-178
発行日 2004年3月15日
Published Date 2004/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100339
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
要旨 門脈血栓症は様々な基礎疾患を背景に起こる.血栓の発達が急速で上腸間膜静脈まで血栓が拡大した場合には腸管のうっ血や壊死を来たすことより緊急手術を要することもあるが,反対に血栓の発育が緩徐である場合には数か月以内に側副血行路が形成され肝外門脈閉塞症(EHO)となる.診断としては超音波検査や超音波ドプラ,腹部CT検査,MRI検査が有用である.門脈血栓に対する治療としてはウロキナーゼやt-PAを用いる血栓溶解療法,ヘパリンやワーファリンを用いる抗凝固療法の投与が投与経路に関係なく有用であるが,腸管の循環障害を来たす場合,血栓摘除術が行われることもある.EHOによる門脈圧亢進症に対しては食道静脈瘤を制御することが治療の主体となる.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.