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特集 原発性硬化性胆管炎と自己免疫性膵炎の最前線
原発性硬化性胆管炎の治療と長期予後
Treatment and Long-Term Outcome in Primary Sclerosing Cholangitis
吉本 次郎
1
,
武井 雅彦
1
,
川崎 誠治
1
Jiro YOSHIMOTO
1
,
Masahiko TAKEI
1
,
Seiji KAWASAKI
1
1順天堂大学肝胆膵外科
1Department of Hepatobiliary-Pancreatic Surgery,Jyuntendo University
キーワード:
原発性硬化性胆管炎(PSC)
,
治療
,
予後
Keyword:
原発性硬化性胆管炎(PSC)
,
治療
,
予後
pp.371-377
発行日 2005年5月15日
Published Date 2005/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100102
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要旨 原発性硬化性胆管炎は原因が不明であり,予後不良な疾患である.現在のところ,内科的治療においては有効な治療法がなく,末期進行例において肝移植のみ唯一生命予後の延長が期待できる治療法である.原発性硬化性胆管炎の肝移植後の問題点として挙げられることは,①胆管細胞癌が合併しているとその予後が極めて悪いこと,②炎症性腸疾患を有する原発性硬化性胆管炎に対する移植後に大腸癌の発生するリスクのあること,③原疾患の再発である.移植時期の決定は極めて重要な問題であり,繰り返す胆管炎は移植後の予後に影響を与え,肝硬変に合併する食道静脈瘤の破裂,難治性腹水,骨粗鬆症などによるQOLや胆管炎の発生母地としてのリスクを考慮すると,有症状となれば,早期に肝移植を考慮すべきと考えられる.今後症例が蓄積され,PSCの原因究明とそれによる内科的治療の進歩が望まれる.
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