特集 アロスタシス—ホメオスタシスを超えて
扉
pp.1187
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416202503
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アロスタシスとは,内外の環境変化に合わせて脳-身体にある多数の調節システムが相互作用しながら身体内部環境を予測的に調節することで,効率よく環境に適応しようとする動的なシステムである。これは定常状態を目標とするホメオスタシスとは対照的に,変動により安定性を獲得するというもので,生理学的調節の新しいモデルとして注目されている。例えば,心拍変動や内受容感覚を媒介とした感情もアロスタシスの現れとして理解することができる。またアロスタシスの特徴として,ストレスが免疫反応を変化させるように,異なる階層の脳-身体調節系同士を関連付ける横断性が挙げられる。本特集ではこのようなアロスタシスの概念をさまざまな視点から紹介しながら,脳と身体,さらには脳と環境の関係性を捉え直してみたい。
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