連載 臨床神経学プロムナード—60余年を顧みて・19
神経内科看護は特有な看護体系である—内科看護,外科看護とは異なる第三の看護
平山 惠造
1,2
1千葉大学(神経学講座)
2日本神経治療学会
pp.1140-1141
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416202196
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表題冒頭の「神経内科看護」は,著者らの共著の書名1)でもある。その「まえがき」に筆者の実体験として,次のように書いている(一部改変)。「私が臨床神経学の道を歩み始めた昭和30年代の前半(1950年代後半)は,内科病棟の中で内科全般の患者と一緒に神経疾患患者を受け持ち,一,二の看護婦と論議し,よいと思われる看護や処置をするもので,神経疾患特有の看護体系などは全くなかった。7,8年を経て,虎の門病院で神経内科の病棟を担当することになり(註:病棟が専門別に編成),それ専属の看護婦が配置されるようになったが,希望者は微々たるものであった。その最大の理由は(中略)屎尿の始末と褥瘡の処置が神経疾患患者の看護であるかの如くに誤解されていた。(中略)そこで毎週一回,夕方の何時間かをさき,神経内科の看護についての講義と,実技についての意見交換を行い,神経内科に対する理解を深めてもらった。その結果,神経内科病棟勤務の希望者が増加したのとともに,看護が長足に向上していった。(以下略)」
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