学会印象記
ECTRIMS 2018—34th Congress of European Committee for Treatment and Research in Multiple Sclerosis(2018年10月10〜12日,ベルリン)
森 雅裕
1
1千葉大学大学院医学研究院脳神経内科学
pp.287-289
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416201257
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ECTRIMS(European Committee for Treatment and Research in Multiple Sclerosis)は四半世紀にわたり多発性硬化症の病態解明と治療の発展に寄与してきた,多発性硬化症に関する世界最大の学会である。2015年はバルセロナ,2016年はロンドン,2017年はパリ,とヨーロッパの各国で開催され,今回はドイツのベルリンで開催され(写真1),参加することができたので,学会と開催地のベルリンに関してご紹介したい。
まず,本学会に関し圧倒されるのがその規模である。大会ウェブサイトおよびPlenary sessionで話された内容によると,105カ国から約9,800名が参加し,1,975のabstractが投稿され,156名が招待講演を行い,114の口演,1,014のポスター,448のePosterの発表が行われたそうである。特にポスター会場の混雑ぶりは満員とはいかないものの混雑した電車を思わせるもので,歩くのもままならない。会場が狭いわけではないので,それだけたくさんの人が参加し,活発なディスカッションを行っていることの裏返しである。国際学会では決められた時間内に発表者がポスターの前に立ち,興味を持った人が質問したり,コメントしたりするのが一般的なスタイルである。ECTRIMSもその形式で行われているが,他の国際学会に比べても多くのやり取りがなされている気がする。その分,かなり騒がしい。日本で見られる,時間を決めてプレゼンテーションし,皆で質疑するスタイルはここで行うことは参加人数から考えて絶望的だが,一長一短であるなという気はした。
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