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ECTRIMS(European Committee for Treatment and Research in Multiple Sclerosis)は毎年秋に欧州で開催されていますが,3年に1度,北米の同様の組織,ACTRIMS(Americas Committee for Treatment and Research in Multiple Sclerosis)と合同の会議を欧州と北米とで,交互に開催しています。3年前は米国ボストンでした。今回は2017年10月25〜28日に,パリ市17区の凱旋門北西にある,パレ・デ・コングレ(Palais des Congrès)で開催されました。テロによる多数の犠牲者を出した都市でもあり,会場の入り口では荷物のチェックがありました(ド・ゴール国際空港では3人組の武装警官が巡回していました)。オーストリアでは31歳の首相を首班とする,戦後の欧州にはなかった政治的潮流の政権が誕生しましたし,期間中の27日には国境のバスク地方を抱える,隣国のスペインのカタルーニャ自治州議会の独立宣言があり,政治的な変化を身近に感じる欧州でした。
さて,会議自体は15のトピックをシンポジウム風にまとめた教育コースや数多い招待講演や口演,シンポジウム,2,000以上ものポスター発表が20時頃まであり,その後もメーカーによるセッションが開催されました。開会の挨拶の後,冒頭にウィーン大学のLassmann教授による“From neuropathology to new pathophysiological concepts and clinical perspectives”と題した45分の特別講演がありました。公式の挨拶と特別講演の間に,開催都市ならではのイベントがいつも舞台でプレゼンされるのですが,驚いたのは,今回は「天国と地獄」のおなじみのメロディーをバックに,10人以上の20世紀初頭風の踊り子たちが,キャバレーで行うような「本格的」なフレンチ・カンカンを踊ったことです。とても他の国の学会場ではできません。さすがフランスです。
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