学会印象記
ECTRIMS 2015—31st Congress of the European Committee for Treatment and Research in Multiple Sclerosis(2015年10月7〜10日,バルセロナ)
田中 正美
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1独立行政法人国立病院機構宇多野病院多発性硬化症センター
pp.90-92
発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416200353
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スペインのバルセロナで31st Congress of the European Committee for Treatment and Research in Multiple Sclerosis(ECTRIMS 2015)が,Montalban教授の下,開催された。
ユネスコの無形文化遺産に指定されている人間の塔(カスティ)が,開会式で会長から紹介され,壇上で演じられた(写真1)。最近,日本の小学校の運動会で骨折事故が絶えないことで話題になった,組体操とは異なり,多くは5,6段だが,肩に乗るため危険性が高い。また,学会が終了した土曜日の夜,カテドラル(写真2)前の階段で10名ほどの管楽器と木管楽器から構成されたバンドが演奏を始めると,広場のあちこちから地元のおじいちゃんやおばあちゃんたちが集まってきて,3〜20名ほどでいくつも輪をつくって踊り始めた(写真3)。カタルーニャ伝統舞踏(サルダーナ)は親指以外を手のひらで包むようにして手をつなぎ,結束を表す輪を意味しているらしい。学会直前の自治州議会選挙で独立派が勝利し,州都・バルセロナでは民族意識が高まっている。赤と黄色の横縞のカタルーニャ州旗に,青地に白の星の入った独立旗が小路のあちこちのビルから垂れ下がっていた(写真4,さすがに,市庁舎には掲げられてはいなかったけれど)。
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