- 有料閲覧
- 文献概要
多発性硬化症(MS)の学会は世界各地域に存在していることが特徴の1つで,日本が所属するアジアオセアニア地区にもThe Pan Asian Committee for Treatment and Research in Multiple Sclerosis(PACTRIMS)があります。そのほか,北米(The Americas Committee for Treatment and Research in Multiple Sclerosis:ACTRIMS)や中南米(The Latin American Committee for Treatment and Research in Multiple Sclerosis:LACTRIMS)にもそれぞれ存在しますが,その中で最大の学会が,今回出席したヨーロッパの学会,The European Committee for Research and Treatment in Multiple Sclerosis(ECTRIMS)です。今年のECTRIMSは,デンマーク王国の首都コペンハーゲンで2013年10月2~5日の会期で開催されました(写真1)。
MSおよびその類縁疾患だけの学会なのですが,例年多数参加し,今年もヨーロッパはもとより世界各地から参加者が集まりました。最近の参加者数は7,000人前後で推移していましたが,今年は93の国・地域から7,600名以上が参加したとのことで,過去最大の参加者数と思われます。これだけ大規模な学会ですので,開催する地域もそれなりの“おもてなし”を考えます。今年の学会のplenary sessionではデンマーク女王マルグレーテII世がご挨拶され,MSの克服への期待をお話しになり,この学会に対する国を挙げての意気込みが伝わってきました。コペンハーゲンは札幌よりも10度以上高緯度にあるため,札幌よりもやや肌寒く,日照時間が短い印象でしたが,学会場は多くの参加者で熱気にあふれていました。
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.