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書評 「臨床脳波学 第6版」—大熊 輝雄,松岡 洋夫,上埜 高志,齋藤 秀光【著】
丹羽 真一
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1福島県立医科大学・神経精神医学
pp.673
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416200801
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大熊輝雄先生の『臨床脳波学』の第6版が2016年11月に出版された。同書の第1版が出版されたのは1963年11月であるから初版以来53年が経過し,その間に5回の改訂がなされたわけである。1999年の第5版出版までは大熊先生が単独で改訂作業をされたが,第6版は松岡,上埜,齋藤の3氏が改訂作業に加わられた。3氏とも大熊先生が東北大学教授在任中の臨床脳波学の弟子であり,その薫陶を受けられ脳波学に造詣が深く改訂作業を担当されるにふさわしい方々である。
第6版への改訂作業は,大熊先生が3氏へ改訂を依頼された2005年秋に始まった,と「序」に述べられている。途中,2010年9月に大熊先生が亡くなられるという不幸があり,また2011年3月には東日本大震災が起きて3氏は宮城県などの被災者救援,被災地域医療の再生に奔走され,改訂作業は一時中断せざるを得ないこととなるなど困難な道程をたどった。それだけに改訂第6版が出版されたことを,本書の利用者・愛読者の1人として大いに喜びたいと思う。
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