書評
「運動障害診療マニュアル 不随意運動のみかた」―H. H. Fernandez, R. L. Rodriguez, F. M. Skidmore, M. S. Okun●原著 服部信孝●監訳 大山彦光,下 泰司,梅村 淳●訳
村田 美穂
1,2
1国立精神・神経医療研究センターパーキンソン病・運動障害疾患センター
2国立精神・神経医療研究センター神経内科診療部
pp.159
発行日 2014年2月1日
Published Date 2014/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416101716
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「運動障害」って何だろう,と思われる方も少なくないかもしれない。「不随意運動」と聞くと,ああ,震えたり勝手に体が動くことね,でもいろいろあって何がミオクローヌスだか振戦だかよくわからないなあ,というのが多くの方の思いではないだろうか。
ここにご紹介するのは米国フロリダ大学運動障害疾患センターのdirectorの1人で米国パーキンソン財団のNational Medical DoctorでもあるOkun博士らが,その豊富な経験をもとに「ポケットタイプでありながら,すべての運動障害疾患の症候をベースとした臨床家の頼りになるハンドブック」を書かれたものである。運動障害疾患関連の書籍はわが国でも散見されるが,いずれも専門家向けで手軽に手にとれるものはほとんどない。本書の原著は2007年に出版され,世界中で愛読されているが,今回わが国のパーキンソン病診療および研究の第一人者である順天堂大学脳神経内科服部信孝教授の監訳により,Okun博士のもとで薫陶を受けた大山彦光先生らが訳された。この名著の日本語版が出版されたことは本当にうれしいことである。
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