内科専門医のための診断学・26
不随意運動の診かた
濱口 勝彦
1
1慶大神経内科
pp.239-243
発行日 1972年2月10日
Published Date 1972/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204006
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不随意運動といえば,一般に錐体外路系の障害で大脳基底核に病変が考えられ,臨床的には筋緊張異常を伴い,精神的興奮によって増悪し,睡眠により消失するのが特徴である.しかしそのほか大脳皮質,小脳,脊髄,末梢神経いずれの部位でも不随意運動は起こり得る.患者が不随意運動を訴えてきた場合,まずそれが何であるか,すなわちtremor, chorea, athetosis, ballismus, dystonia,myoclonus, fasciculationなどのどれであるかを判定し,次にそれの病巣部位および成因を考慮し,治療方針をたてなければならない.
また,てんかん発作の場合にも,強直性または間代性けいれん,各種の自動症などの不随意運動がみられるが,この種のものはここでは取りあげないことにする.
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